内縁の妻は相続人になる?内縁の妻へ財産を残すには
配偶者は法律上の相続人となります。では、内縁の妻と呼ばれる方はどうでしょうか?
婚姻関係がなくとも事実上同居をしており、生活を共にして長年一緒に過ごしていたとすれば、配偶者と同じように扱い、内縁の配偶者にも相続分があるという考え方もできます。
今回は、この内縁の配偶者と相続権についてご紹介していきます。
目次
内縁の配偶者とは
内縁の配偶者とは、戸籍法上の婚姻関係にない夫婦のことを言います。婚姻届は提出していないですが、事実上婚姻関係にある状態として、事実婚と呼ばれることもあります。
多様性がうたわれはじめかなり経過しました。そのような社会の中で夫婦関係だけでなくパートナーとの関係も様々な形態が増えてきております。名字の変更等の理由であえて婚姻届を提出しないまま、内縁関係を続ける夫婦も増えています。
また、同性パートナーのように、戸籍上の婚姻関係が認められない夫婦が事実婚として夫婦関係を築いていくことも増えています。
それではこの内縁の配偶者や事実婚のパートナーといった方には、相続財産をどのように残すことができるのでしょうか。
内縁の配偶者や同性パートナーだからこそ、気をつけなければならない問題があります。
配偶者と相続の関係
亡くなった人の配偶者は常に相続人となります。それではその配偶者とはどのような方を指すものなのでしょうか?
戸籍法という法律によって、婚姻関係とは、
婚姻届の提出
により効力を生じます。何十年と一緒に生活をしていても、周りの方々から夫婦であると認識されていても、婚姻届が提出されていない内縁の配偶者とは法律上の婚姻関係にありません。そのため、内縁の配偶者は相続人となることはできません。
そして、この婚姻届が提出されている配偶者であれば、離婚調停中や離婚訴訟中であったとしても、現在でも婚姻関係にあることに違いはありませんので、どちらかが亡くなった場合には配偶者として相続人となります。
内縁の配偶者には絶対に相続分は認められない?
婚姻関係にないからといって、内縁の配偶者になすすべが全くないわけではありません。特別縁故者としての財産分与請求という方法があります。
特別縁故者としての財産分与請求
相続人が誰もいない場合に、被相続人と特別の縁故があった者がいればその者へ相続財産の一部や全部を与えられる場合があります。
ただし、この制度を使うためには、相続人が誰もいない場合という大きな要件がありますので、次に述べます遺言書を活用することをお勧めしております。
遺言書を活用して財産をあげる
現実的で実行しやすい方法は、この遺言書の活用です。実際、上で述べた特別縁故者を活用するのは、相続人がいないという前提条件が必要なため、実現がなかなか難しいと思われます。
内縁の配偶者に対して確実に財産を残してあげたいと考えるのであれば、遺言書を活用して遺贈する方法をとりましょう。
よく使う遺言書
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遺言書を活用する場合は遺留分に注意が必要!
遺言書を活用すれば、内縁の配偶者にも財産を残すことができますが、遺留分に注意が必要です。
内縁の配偶者に全てを遺贈をする
といった遺言書を残したとしても、法定相続人には遺留分がありますので、相続によって争いごとに発展してしまう可能性があります。せっかく争いごとを回避しようとして遺言書を作成したのに、残された方々で争ってしまっては本末転倒です。
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自分の死後に内縁の配偶者と相続人が揉めないようにこの遺留分に注意しながら遺言書を作成するようにしましょう。遺留分やその他、法律的にしっかりとした遺言書になっているか心配であれば、専門家に依頼するのも一つの手段です。
当事務所では、遺言書の相談も随時受け付けておりますので、お困りのことがありましたらお気軽にお問い合わせください。
初回相談料無料!
まとめ
内縁の夫婦関係は、法律上の婚姻関係がある夫婦に比べて、もともと相続分が無いため、遺産相続の部分で問題発生しやすいです。夫婦関係も多様化しておりますので、内縁関係自体が悪いことではありません。
しかし、長年連れ添っていたにも関わらず、遺言書が無いためにパートナーへ財産を渡せなかったとならないためにも、事前にご自身の財産をどうしたいのか考えておく必要があります。
内縁関係を選択するのであれば、どちらかが亡くなったとしてもお互いが困ることがないよう、生前のうちから遺言書等の方法で対策をとっておくようにしましょう。