遺言書には何を書けばよい?遺言の内容について9つのポイントから解説

遺言とは相続人の遺産分割が円滑に行えるように、亡くなった人が遺産に関する指示を残した最後の意思表示です。

そして、遺言の内容が実行されるときには、もちろん遺言者は亡くなっていますので、遺言の内容をしっかりと読み取ることで亡くなった人の意思を確認します。

今回はそんな遺言書には、どのような内容を残すことができるのか解説していきます。

目次

遺言の持つ法的な意味

最初に申し上げた通り、遺言は亡くなってから効力を有する特殊なもので、その有効性等を作成した本人に直接確認できません。そのため、有効になるための要件を法律できっちりと定めて、どのような遺言書の内容であれば法的に有効な意味を持つかを特別に規定しています。

このように、遺言書に書くことで法的な意味を持つ事柄を遺言事項といいます。

遺言事項の内容

それでは、この遺言事項にはどのようなものがあるかをこれより説明していきます。

皆さんが遺言書と聞いてもっともイメージが湧くであろう

財産を「誰に」「どれくらい」相続してもらうか

のようなもの以外にも認知など様々な内容を遺言に記載することができます。

相続分の指定

遺言等が無い場合の相続では、通常、法定相続分という割合で決まっています。

しかし、遺言者である被相続人(亡くなった方)は遺言書で自由に相続分を指定することができます。

長女Aの相続分を3分の2、長男Bの相続分を3分の1とする。 など

遺産分割方法の指定と分割の禁止

遺言者は遺産分割の方法を決めることや、その遺産分割方法を第三者に委託することもできます。

さらに、相続開始の時から5年を超えない範囲で遺産の分割を禁止することもできます。

東京都中央区〇〇の土地及び同土地上の建物を長女Aに相続させる。
東京都江東区〇〇の土地及び同土地上の建物を長男Bに相続させる。 など

相続財産の処分

遺言者は法定相続人がいるとしても相続人以外の第三者、団体等に対し、相続財産を遺贈することができます。

公益財団法人〇〇に、現金1億円を遺贈する。 など

非嫡出子の認知

結婚していない女性(内縁の妻)との間にできた子等がいる場合に生前に自分の子であることを認めるのが認知です。この認知を遺言書でもおこなうことが可能です。

そして、認知がおこなわれることによって、生前でも死後でも遺言者は認知した子を正式な自分の子として相続人に加えることができます。

遺言者は本籍東京都中央区〇〇の佐藤A助(平成〇年〇月〇日生)を認知する。 など

相続人の廃除及びその取消し

亡くなった方に対して相続人が虐待等をおこなっていた場合、その相続人に対して相続人から除くことができます。

そこで、遺言者は生前に自ら又は死後遺言によって、その虐待等をおこなっていた相続人に対して、廃除の申立てをおこなうことができます。

ただし廃除が認められても、廃除された元相続人に子がいる場合にはその子に代襲相続されます。

遺言者は、遺言者の長女Aを推定相続人から廃除する。(以下、理由) など

未成年後見人等の指定

残された子が未成年で、遺言者が死亡することによって親権者がいなくなる場合では、遺言によって第三者を後見人や後見監督人に指定することができます。未成年後見人には未成年者の財産管理等を任せることができます。

遺言者は未成年者である三男Cの未成年者後見人として次の者を指定する。
本籍 
住所 
職業
氏名 〇川 〇男
   昭和〇年〇月〇日生

配偶者居住権の設定

被相続人は遺言によって配偶者居住権を設定し、配偶者に遺贈することができます。裁判所の関与が必要なく、遺言による遺贈以外の方法で配偶者居住権を設定するためには、全相続人が遺産分割協議で配偶者居住権を設定することに合意する必要があります。

しかし、特に揉めることもないのであればこのような形でも問題ないですが、家族間で不仲等の問題がある場合には遺産分割協議での配偶者居住権は成立できない可能性が高いです。

そのため、遺言書に配偶者居住権の内容を盛り込むことで、この制度の活用をスムーズにおこなうことができます。また、配偶者居住権に関する遺言書を作成する場合には、「相続させる」ではなく「遺贈する」という文言を使用してください。

遺言者は、遺言者の所有する下記自宅建物の配偶者居住権を遺言者の妻Aに遺贈し、同建物の所有権長男Bに相続させる。

遺言執行者の指定又は委託

遺言書を作成しても、その内容を実現してもらえるとは限りません。

そして、相続財産である銀行預金を引き出して、遺言書の内容に沿って相続人に分配したり、不動産の登記変更を実行する必要があります。

遺言の執行をする者を指定していない場合には、相続人全員の同意を取り付けて、銀行等に行って自分たちですべての手続きをおこなうことになります。

そのため、遺言者は遺言によってこのような手続きを実際におこなう者を遺言執行者として指定することができます。

1. 遺言者は、本遺言の執行者として、次の者を指定する。
住所 
職業
氏名 〇川 〇男
   昭和〇年〇月〇日生
2. 遺言者は、遺言執行者に対して、本遺言の内容を実現するための名義変更、解約、換金等の一切の権限を与える。
3. 遺言執行者は、本遺言の執行事務につき、その全部又は一部を第三者に委任することができるものとする。

その他の遺言事項

その他にも、特別受益の持戻しの免除祭祀承継者の指定債務免除等も遺言に記載することが可能です。

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遺言書は書いて終わりではありません。実現することが重要なのです。

そのためにも法的に有効な遺言書を作成するお手伝いをさせてください。

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