遺産には債務も含まれます!相続債務の調べ方について解説

相続手続きと聞いて、まず出てくるのは故人の財産についてという人も多いかと思われます。

では、その財産とはどのようなものなのでしょうか。一般に財産というとプラスの財産(現金、預貯金、不動産など)を思い浮かべると思いますが、実はマイナスの財産(借金など)も財産に含まれてしまいます。

相続人は相続放棄をしなければ、この両方の財産を承継することになってしまいます。

そのため、承継する財産に相続債務があるかどうかを調べなければなりません。

今回はこの相続債務の調べ方について解説します。

目次

相続債務の調べ方

相続手続きにおいて、相続債務の調査はなるべく早い段階でおこなうべきです。

なぜ債務の調査を早期におこなうのか?

なぜなら、冒頭でも説明した相続放棄は3か月以内におこなわなければならないからです。この期間を過ぎてしまうと、原則として、相続を承認したものとされ、債務も含めて承継されてしまいます。

そのため、債務があるかの調査も早期に行わなければなりません。

債務を調べる

それでは実際に債務の有無を調べるにはどうすればよいでしょうか?

その際には、下記の機関に直接連絡をし、調査に必要な書類や手続きの流れを確認します。それに従い手続きをおこなうことで債務を確認することができます。

全国銀行個人信用情報センター(KSC) 電話番号0120-540-558

銀行系のローン(住宅ローン、キャッシング等)を調べることができます。

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株式会社シー・アイ・シー(CIC) 電話番号0570-666-414

クレジット系の契約内容を調べることができます。

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株式会社日本信用情報機構(JICC) 電話番号0570-055-955

消費者金融系の契約内容を調べることができます。

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基本的には、金融機関の解約手続き等と同じように、亡くなった方と相続人との関係を証明する書類(戸籍等)を提出して、調べてもらいます。代理人による申請も可能ですので、その際は、委任状やその他資料が必要になります。

債務調査に必要な情報

信用情報機関は、融資・金銭消費貸借契約の際に、申込者から個人情報を取得しています。そして、その借入当時の情報を基に債務調査の対象者の情報を紐づけして、開示の結果を出してくれますので、調査対象となる亡くなった方の情報が必要になります。

そのため、住所、氏名、生年月日だけでなく、なるべく多くの情報を伝えることが重要となるのです。

亡くなった方の免許証等の身分証明書

信用情報機関が調査対象者の開示をするうえで、免許証等の身分証明書が必要です。亡くなった方との関係が遠いような場合は、どこに身分証明書を保管しているか分からないことも多いと思われます。その際には、財布やタンスなどの重要な書類が保管されている場所を調べてみましょう。

亡くなった方の電話番号

亡くなった方の電話番号も必要となります。携帯電話や固定電話、番号は変わっている可能性もあるため、過去の番号などもわかるようであれば把握しておくとよいです。

電話会社からの通知等で調べるしか方法はないかと思われますが、わかる範囲で探してください。

亡くなった方の勤務先

亡くなった方の過去の勤務先やその電話番号などの情報も必要になってきます。こちらも関係の遠い方の場合、わかならいことも多いですが、遺品やその他亡くなった方の持ち物から調べることをおすすめします。

債務調査にかかる期間

今回は3つの信用情報機関への債務調査をおこなう方法を紹介しました。

しかし、これらの機関に申請をしたからといって、すぐに、結果は出てきません。申請から結果が届くまでおおよそ1か月程度はかかります。

債務調査に必要な書類をそろえるのにも時間がかかってきますので、前述の相続放棄のことも考えると、この債務調査の申請は早めにおこなう必要があります。

相続財産の債務調査でわからないこともある

今回ご紹介した信用情報機関に開示請求したからといって全ての債務が判明するわけではありません。

ここで判明する債務は、消費者金融からの借り入れクレジットカード銀行ローンといったものだけですのでご注意ください。

それ以外にも滞納している家賃、親族や知人からの借金、税金といった債務は、開示の対象にならないため、開示請求だけで全ての借金等が確定するわけではないのです。

それ以外の借金等債務を探すには、遺品の中から借用書や滞納している通知等を探して見つけていくしか方法がありません。その他に預金口座から一定期間ごとに引き落とされている支払いなども債務の可能性がありますので、確認してみましょう。

まとめ

相続債務の調査は、相続放棄の判断をするだけではなく、遺産分割協議を行うための判断材料にもなります。

また、相続債務については、以下の2点に注意が必要です。

  • 相続債務の調査には一定の時間がかかってしまいます。相続手続きには期限が決められているものもあるので、調査をおこなう場合には、早めに取りかかりましょう。
  • 信用情報機関での調査では、全ての債務を明らかにすることはできません。個人間での借金などは遺品の中から探していかなければなりません。

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