あなたはもらえる?遺族年金とは

自分自身や家族に何かあった場合に自分たちで備えるため、生命保険に入っている方も多いと思います。

今回はそれ以外に一定の条件を満たした場合に国から支給される遺族年金についてご紹介します。

目次

遺族年金とは

遺族年金とは、国民年金や厚生年金を支払っている方や現在年金を受け取っている方が亡くなった時に、残されたご家族に支給される公的年金のことです。

この遺族年金には、

  • 遺族基礎年金
  • 遺族厚生年金

の2つがあります。

亡くなった人が加入していた年金制度と遺族の家族構成や収入状況によって支給されるかどうかが決まります。

遺族基礎年金

まずは遺族基礎年金についてご説明します。

遺族基礎年金の受給要件

遺族基礎年金の受給要件には大きく2つあります。

  1. 残されたご家族に18歳以下の子供がいる
  2. 国民年金の保険料を、3分の2以上納めている

受給要件の解説

遺族基礎年金は18歳以下の子供がいないと支給されない、かなり厳しい条件のある年金です。

厳密には子供が18歳になった年度末(3月31日)までが支給対象になります。

また原則として、国民年金の保険料を、3分の2以上納めている必要があります。こちらも詳しく期日を説明すると、

死亡日の前日において、死亡日が含まれる月の前々月までの被保険者期間に、国民年金の保険料納付済期間および免除期間、厚生年金保険の被保険者期間、共済組合の組合員機関の合計が3分の2以上あることが必要となります。

途中で会社員として厚生年金等を支払っていれば合算されるということです。

59歳で亡くなった方の場合、20歳から59歳までの39年間の3分の2以上(26年以上)保険料を支払っていれば要件を満たすと考えられます。

遺族基礎年金の額(令和3年度)

子供のいる配偶者が受け取る場合:年間78万900円 + (子の加算額)

配偶者がおらず子供だけが受け取る場合:78万900円 + (2人目以降の子の加算額)

※1人目および2人目の子の加算額は各22万4700円で3人目以降のこの加算額は各7万4900円となります。

遺族厚生年金

次に遺族厚生年期についてです。

遺族厚生年金の受給要件

遺族厚生年金は遺族基礎年金と比べると、厳しくないものとなっております。

  1. 生計を維持されているご家族がいる場合
  2. 厚生年金の保険料を3分の2以上納めている

受給要件の解説

遺族基礎年金と違い、18歳以下の子供という要件ではなく、生計を維持されているご家族がいる場合に支給されます。

生計を維持とは、死亡当時に個人と生計を同一にしていた方であり、原則年収850万円未満が該当します。

厚生年金の保険料を3分の2以上納めているというのも遺族基礎年金同様、死亡日の前日において、死亡日が含まれる月の前々月までの被保険者期間に、国民年金の保険料納付済期間および免除期間、厚生年金保険の被保険者期間、共済組合の組合員機関の合計が3分の2以上あることが必要となります。

遺族厚生年金の特徴

遺族厚生年金は病気でやむを得ず会社を退職した人の場合にも、支給される可能性があります。

過去に被保険者であった人で、被保険者であった期間中に初診を受け、5年以内に死亡してしまった場合にも支給されます。

遺族厚生年金の額(令和3年度)

原則として、故人の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3の金額です。また、65歳以上の方は遺族厚生年金とご自身の老齢基礎年金、老齢厚生年金または障害基礎年金の一部または全部を併せて受け取ることができます。

遺族厚生年金の請求手続き

遺族年金は必ず請求手続きが必要となります。自動的に支給はされません。

請求手続きの流れ

  1. 年金請求書に※添付書類をつけて年金事務所等へ提出
  2. 提出後、1か月程度で、年金証書、年金通知書が自宅に届きます
  3. 到着後、1~2か月後に、年金支給が開始します

年金請求書は日本年金機構のホームページよりダウンロードができます。

日本年金機構ホームページ

※添付書類には

  • 年金手帳
  • 戸籍謄本
  • 住民票
  • 請求者の収入が確認できる書類
  • 志望診断書のコピー
  • 預金通帳等

が必要となります。

まとめ

今回は国から支給される遺族年金についてご説明しました。

国民基礎年金と国民厚生年金の2種類に分かれており、条件が整うと支給されます。

注意しなければならないのは、亡くなった場合に自動的に支給されるものではないため、申請手続きが必要になるということです。せっかく支給要件に該当するのに申請をしないということがないようにしましょう。

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